■ 常設展

千利休茶の湯館

千利休について

千家茶道の祖であり、わび茶の大成者として知られる千利休(1522-1591)は堺の商家に生まれ、その生涯の大半を堺で過ごしました。名を与四郎、法名を宗易、斎号を抛筌斎と称し、正親町天皇から利休居士号を賜ります。堺の豪商・武野紹鷗に茶の湯を習い、天下人・織田信長や豊臣秀吉の茶頭として仕えました。とりわけ、秀吉には茶頭の筆頭として仕え、禁中茶会や北野大茶湯の開催に尽力し、世に「天下一の茶の湯者」と称されました。

 

茶の湯館配置図

 

千利休茶の湯館-配置図

 

展示の見どころ

①「利休と堺をめぐる人々」

利休と堺をめぐる人々

利休と堺のまちに関わった人々を画像と音声で紹介します。利休の音声解説は、堺市出身で堺親善大使の歌舞伎俳優・片岡愛之助さんです。そのほか、三好長慶や織田信長、フランシスコ・ザビエルなどの音声解説も聞くことができます。

 

②「住吉祭礼図屏風にみる堺」

住吉祭礼図屏風にみる堺

住吉大社を出発し堺のまちへとやってくる神輿にあわせて、堺の町衆が行列する様子を描いています。江戸時代初期の堺のまちの姿がわかる唯一の屏風です。デジタル技術を駆使しタッチパネルにふれると画中の神社や商家などが拡大され、詳しい解説画面が立ち上がります。

 

③「世界に誇る堺環濠都市遺跡」

出土茶器

堺には、まち全体を囲むように掘られた2つ(16世紀中頃と慶長20年)の環濠があり、現在、慶長20年の濠の内側は堺環濠都市遺跡とされています。その遺跡から出土した貿易陶磁器や志野、織部などの茶道具類を展示しています。(展示替え有)

 

④「茶室(床(とこ)部分)の想定」

床の比較

利休が若き日を過ごした堺今市町の屋敷に武野紹鷗の茶室を写して建てたという茶室と、最晩年を過ごした京の聚楽屋敷に建てた茶室を想定して「床(床の間)」を中心に再現しました。そのしつらえの違いや関連資料の展示を通して、利休の独創性による茶の湯の変革や、利休がわび茶を大成する前後の茶の湯の変遷をご覧いただけます。

 

⑤「VRコーナー」 

2021年4月7日より、堺の歴史や茶の湯文化を体験できるVRスペースとしてリニューアルいたします。

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